2011年10月18日火曜日

Dennis Ritchieへ

http://jp.techcrunch.com/archives/20111015what-can-we-learn-from-dennis-ritchie/

今このアーティクルを書いているマシンはUbuntu Linux 11.04。バックグラウンドでは11.10へのアップデートを行っているところだ。アップデート完了まで30分ほどかかるようなので、先日亡くなったDennis Ritchieについて書いてみたい。

Ritchieといえば、K&RのRの人だ。プログラマの本棚には必ずK&Rがあることと思う。私のK&Rは1997年5月1日の第2版211刷だ(共立出版から出ている石田晴久先生の翻訳。そういえば、石田先生もお亡くなりになられた)。

この本は、私が高校生だったころ、近くのパソコンショップで購入したもの。もう無くなってしまったが、帯に「K&RのC」と書いてあって、「これがあの有名なK&Rか」と購入した。私の本棚の技術書の中では一番古いのではないかと思う。

通学途中の電車で読み、大学に入ってからもリファレンスとして参照した。本を大事にする私でも、この本は索引が取れてセロテープで付けてあるなど、ボロボロになっている。10年以上の付き合いだ。

そんなC言語の生みの親がRitchieだ。そして、C言語のキラーアプリケーションがUnixであり、UnixがなければLinuxはなく、今ここでUbuntuのアップデートをすることもなかっただろう。高級言語でOSを書くというアイデアは、まさしくイノベーションである。

Ritchieは今年の春に日本賞を受賞している。日経サイエンスに、どこかで見たことのあるヒゲのおじさんが出ていると思ったら、Ritchieだった。UnixとC言語の発明による功績だった。地震の影響で授賞式はキャンセルされたらしい。

だから、Dennis Ritchieはまだまだ健在なのだと思っていた。Ken Thompsonも、Brian Kerninghanも、Rob Pikeも、みんな元気だと思っていた。

クリント・イーストウッドの映画に、『スペースカウボーイ』というのがある。危機に陥った人工衛星を修理するために、往年の宇宙飛行士が結集するというストーリーだ。同じように、世界のどこかでまだPDP-11でUnixが動いていて、それを修理するためにベル研のメンバーが結集するというのもストーリーとしては面白い。

そろそろアップデートが終わる。K&Rは今後も私のバイブルだし、C言語も使い続けていくだろう。さようなら、C言語とUnixをありがとう。

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